読者さんの記事を編集する① 「アメリカのハロウィン」
あんまり言ってなかったけど、もう3年以上、複数のメディアで誰かの記事を直す仕事(編集)をしています。結構丁寧に直しています。
同じようなジャンルの記事を編集し続けてきたのですが、どんな記事でも出来る気がしてきたので、フォロワーさんが書いたりした記事や日記を理由付きで直して公開するみたいなのをやろうと思い立ちました。
あなたの記事を、自分が出来る範囲内で読みやすい方向にします。
あくまで僕ならこうする!ってやつなので、これが正しいとかそういうのでは決してないので、よろしくお願いいたします。
読者であるDachimiNさんよりいただいたブログ記事を直していきます。
DachimiNさんのメッセージ
突然のメッセージ失礼いたします。
個人的に稚拙ながら文章を書いておりますが、どうにもウケてる実感がありません。
(中略)
お忙しい中かとは思いますが、もしもお時間がございましたら、ぜひご検討いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
この時だけ、Wordのファイルで直しました。
DachimiNさんは既にそれをブログに結構反映させていらっしゃるので、最初に貰った元記事を私のブログに引用しました。
反映後のリンクは記事下部に貼らせていただきます。
↓元記事↓
こちらをご確認いただいてから読むとわかりやすいと思います。
【ザッと全体を読んでみて】
・普通に全然いいと思った。誤字脱字も全然なくて読みやすいです。3000文字くらいでサッと読めるしちょうどいい。
・「ウケてない」と感じるのは、多分最後まで読まれてないんじゃないかなと思いました。
・あとは引き算の問題かなと思います。
・これは俺のエディタの問題だったら申し訳ないんだけど「、」が全て全角の「,」なので、句点の方がいいと思う!俺のエディタの問題だったらごめんなさい!!
では細かく見ていきます。
はじめてのナンパ ~USA編~
タイトル、もう少しヒキがあるタイトルにした方がいいんじゃないかな!
別にUSAで初めてナンパした日記なので間違っていないんですけど、「アメリカのハロウィン」って出来事が強いので、もうちょい本文内容を反映させて、
「アメリカのハロウィンでナンパした日の話」「アメリカのハロウィンでナンパした日からずっと夢を見ている」「ドラゴンボール(球体)のコスプレをしてアメリカでナンパした日」とか、なんかもう少し文字数使って興味持ちやすいようにしてもいいと思いました!
3匹のヤギという絵本に出てくるがらがらどんというバケモノ
この3匹のヤギのくだり、太字にもしてらっしゃいますが、その後一切出てこないのならこの記事には不要なのでは……と思います。写真にインパクトある分ノイズになる気がします。
こういった序文で離脱されていると思うので、それを避ける方向にいったほうがいいかも。
それか、序文で使った言葉や単語を最後に使うとキレイに記事がまとまるので、がらがらどんをどうしても使いたいなら最後に使ってみるといいと思う。仮で最後に使ってみますね。
人生ではじめて行ったナンパとその惨憺たる結末である。
好みの問題なんですが、「おこなった」って瞬間的に読みにくくてストレスになりやすいので、なるべく使わないようにしてます。
今私の手元にはハンカチがある。
この記事において重要ではない単語なので、太字じゃなくていいかなと思いました。
涙なしでは見られないから・・・・
3点リーダー2つ「……」で統一するようクセづけると、だいたいのメディアなどでそういうルールなのでおすすめです。
出来事が起こったのは,10月31日のハロウィンの日であった。私の住んでいた街で一番大きなバーで――
「ハロウィンの日であった。」で改行すると読みやすいと思う。舞台を示して、そのディテールをその後に繋げるので、しっかり区切った方がわかりやすくなると思う。
私の住んでいた街で一番大きなバーで
章をまたぐので、僕だったらこれも「留学先の街で」とかにしちゃうかも。アメリカであること(舞台)をちゃんと流し読みでも把握してほしいので。でもどっちでもいいかも、これは自分がそういう性格だからかも。
ハロウィンの仮装をしてダンスをするというハロウィンパーティーが催されており
1文に2ハロウィンいらないので、最初の「ハロウィンの」はそのまま消していい
ちなみに,言い訳ではないが,その時私たちはドラゴンボールのコスプレをしていた。ドラゴンボールのコスプレが言い訳?と思われるかもしれないが,ここでいうドラゴンボールのコスプレとは,悟空やフリーザといったキャラクターのコスプレではなく,ドラゴンボールという球状のアイテムそのもののコスプレであったのだ。
「言い訳」とその後の文のつながりがいまいちよくわかりませんでした。序章でナンパに失敗していることを明かしているので、そことつながってるのだとは思いますが多分そんな伝わらない気がします。
①その後すぐ顔を塗った写真が出てくるので、それに繋げるか、
②もしくは顔を塗った写真のあとにシンプルに説明として示す(その場合は写真直後の文章を消す)方が伝わるかなと思います。
もし自分が書き換えるなら、多分画像で認識出来るから、文章ではシンプルに示して、その後の良くない未来を冷めた視点で暗示するかなと思います。↓
私たちはドラゴンボールのコスプレをして、そのパーティーに臨んだ。悟空やフリーザといったキャラクターのコスプレではなく、ドラゴンボールそのもののコスプレだ。この時点でだいぶノーチャンスであることにどうして気付かなかったんだろう。
みたいにする気がする。
「ナンパが良くない結末だった」という事は最初に明かしているので、「果たしてどうなった?」みたいな作りが成立しません。普通にずっと「なんであんなことしたんだろ」スタンスの方が自然かと思います。
これでは素顔が見えない。(まるで顔が見えていればナンパが大成功していたかのような口ぶり)
でも俺ここすき
なのでさっきのは①にしてほしいなって思ってる。
さて、顔面オレンジに塗り固めた我々は、しばらくはぶらぶらしてGreen teaを濁していた。
わかりにくさを与えるだけのボケ(Green teaを濁す)などは削っていいと思います。文章でボケる場合厳選したやつにしないと結構難しくて、めちゃくちゃ小ネタを散りばめる場合は、その前からもっとそうして「こういう人」なんだってしないとただ「何?」ってなるだけな気がします。
逆に隠している方がエロいのではないかと思われるような極めて小さいサイズのビキニ着たのGalの、すらりとのびた白く大腿の大宇宙(コスモ)をナメクジのようにジトジトと眺め,私は鼻の下と如意棒を伸ばしていた(悟空なだけに)。
・コスモって「小宇宙」じゃなかったっけ……?
・「悟空なだけに」はドラゴンボールだから入れたと思うんだけど、4割伝わらないと思うので僕なら削るか、ドラゴンボールって単語をもう少し近くに置く。
・コスモも自分なら削るけど、その後も出てくるから一旦置く。
・この記事は出来事が色々起きているので、小ネタを散りばめる感じより、この場合は「ハロウィンパーティに意気揚々と乗り込んだオレンジの集団が何もできない時間」という場面を活かした方が面白いんじゃないかなと思います。好みの問題ですが。
多分僕が書くなら↓
「アメリカ人をナンパしてやるぜ!」
顔面オレンジに塗り固め、意気揚々とバーに乗り込んだ我々は、しばらく白人美女の太ももとかを眺めていた。きれいだった。
みたいな感じにしちゃう気がする。
そんなエロ親父のようなムーブを見かねた友人が「ナンパしてみないか?」と持ち掛けてきた。(中略)いつもなら「ば,ばかいえっ!」と昭和の童貞少年のように断るところ、右腕を見せつけるジェスチャーをするなどしてしまった。パンドラの箱が開かれたことも知らずに・・・
これ、これが言わば記事のタイトルで示した主題の始まりだから、出来ればもっと最初に持ってきたいです。
記事の構成を時系列に沿ってると思うんですが、日記系の記事の時系列って少しギャンブルだと思ってる。
入店→エロ親父ムーブ→友人「ナンパする?」
じゃなくて、
ナンパするぞ!→入店→エロ親父ムーブ(何もできない)
の方がわかりやすいと思う。
事実をありのまま伝えたい場合はマジですみません。
僕は嘘にならないならわかりやすい方向にシフトしてるってだけです。
右腕を見せつけるジェスチャーをするなどしてしまった。
そしてここ超好き。
「ナンパしないか?」って言われて右腕を見せる。なんで。意味わかんなくて笑っちゃった。
多分僕だったら読者の目線と合わせる意味で「という謎のジェスチャー」って書いてる気がする。でも元文のが唐突で意味不明でいいな。好みです。
ナンパのいろは
ナンパ成功率を上げる全米心理学会のお墨付きの効率の良い方略なのだ。知らんけど。
・「方略」→「手法」とかでよくないかな。方略はあまり一般的な単語じゃないと思う。その直前で方式って言ってるから方式でも。
・「知らんけど」は、使うのが難しいと思う。この場合の使い方は、少し読者に失礼になる気がする。
1度、目があった時は、ドキッとした。2度、目があった時には、恋に堕ち、3度、目があった時には、相思相愛になっていた。
この文章好きです。
統一させたいので、
1つ目は「時は」→「時には」
2つ目は 「恋に堕ち、」→「恋に堕ちた。」だと思う。
で、1,2は事実で、3だけ当然相思相愛にはなっていないので、
・・・・的な童貞理論で小柄な彼女に目は釘付けになっていた。
これを消して、
3度、目があった時には、多分だけど相思相愛になっていた。
とかにするとスッキリしていいんじゃないかと思う。
残す場合「目は釘付け」じゃなくて、「目が釘付け」じゃないかな。
あと出てくる女の子がどういうコスプレしてたとか書いてあると雰囲気より伝わるからいいかも。
しかし,中高6年間を日陰と共にした私には,かような勇気など無かった。ましてや今の自分は顔面をオレンジ色に塗り固めたイエロージャップ。きっと相手にしてくれるわけはない。しかし,蓼食うBugも好き好きということわざもある,諦めたらThe match is overとも言っていた・・・と様々な思案を巡らせ,
ここでDachimiNさんが別にモテてこなかった人だと初めて明かされるので、記事に関連する人物像はもうちょい最初に示した方がいいですね!
あとことわざを英語にするの、読みにくくなってるだけな気がします。留学要素として入れてるのかな
「ここの文章ボケがなくて不安だ」となって何か入れたくなるのすごくわかるんだけど、無理に入れるくらいなら極力シンプルにして次につなげた方が大体において良い!
ずっと見せ場がある記事なんてないから!大半はいくつかのポイントに向けての助走だから!
進む鼓動と時計の針
全盛期よりは人の数も減ったが,それでも歩けば肩が触れ合うような状況。気を引き締めて
俺ら知らないよ全盛期。来た時の人数(300弱)のこと?
そんなことをして気づけば、来た時よりも徐々に人の数が減りだしていた。
とかでいいと思う。人の数が減ってるのにただ女の子眺めてる構図は面白いと思う。
目を這わせていると、少し大人しそうな長身の女の子が引っかかった。
もしも、記事のドラゴンボール要素を本文に足すならどこにしようかと考えて読んでいたんですが、ここかなと思いました。
少し大人しそうな長身の女の子がスカウターに引っかかった。
こうするかも。如意棒(悟空だけに)は使うの怖いから、僕はそういうのやりたいけど恐れるから、やるとしたらさりげなくやっちゃうと思う。
それはまるで,誰かにここから連れ出されたいと願っているかのように・・・!!
たまたま可愛い子見かけただけなのにそう思えるの、その時の感情がすごくわかってすごくすき。
全体的に筆者スタンスをここの文章あたりのテンションに合わせるとバランス良いなと思ってます。
時計の針は深夜1時を指そうとしていた。2時閉店のそのバーには全盛期の半分も人がおらず。閑散としていた。ウィングを引き受けてくれた友人の顔にも呆れと疲れが浮かんできていた。まずい,本当に次こそ決めなければ・・・・!
「閉店時間も近づき人数が減り、焦っている」というのをここで伝えているので必須ですが、もうちょいスッキリさせられると思います。
The last of us
まばらな店内を見回すと,アジア人のグループが目についた。先ほどまでは白人を前に躊躇していたが,同じアジア人だとどうだろう,急に自信が湧いてくるではないか。
ここもめっちゃ好き。
何も出来ず焦って店内見回して、アジア人見つけただけで急に何故か自信つけてるのめちゃめちゃ好き。
その後ちゃんと失敗するので、僕は自信を少し誇張させるかも。(落差を作るため)
おれ「ウ,ウェイ!いっしょに踊らない?」
人名「」←この形式は急にチープになるから使わない方がいい。
前後の文章でわかるから大丈夫だよ。不安なら文字色を変えるだけでいいと思う。
と決めた。我ながらパンチライン,炸裂したと思った。振り切ったダサかった昔の俺。
好き
の,ノーサンキュー?!?!これは,つまり,え,ちょっとまって。だめってこと!?
だめってことだろwww
恥ずかしさでみるみる頬が赤らみ、元々のオレンジと混ざって朱色になったんできたが,幸い顔面はもともとオレンジ色だったので誰もそれに気が付くことはなかった。【画像】その色は秋の紅葉よりもきれいな赤色だったという
かなりいい。最初にオレンジに塗ったのが紅潮と混ざるみたいな展開、すごくオチとして綺麗だと思う。
ただ画像は同じものなので、削っていいと思う。
【最後の、なんかNo Thank youって10回くらい書いてあるところ】
全部消していいと思う。
ハンカチを最後に持ってきてるけど要らないと思う。キレイに締めたいなら最初のがらがらどんを持ってくればいいよ。
顔が紅潮したところでオチてるから大丈夫よ。
改めて、元記事はこちら
というわけでそんな感じで編集した記事をこの下に載せました。
上で取り上げたポイント以外にも細かい部分を色々変えてます。
もちろん僕の記事ではないので、DachimiNさんの元記事から雰囲気を残しつつ、書き換えたものになります。
僕だったらこういう風にするってだけで、別に正しいとかではないです!
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