①「自分」が出ると嫌われる
こんにちは。
こちらの記事配信では記事や日記、SNS投稿なんかを書くときに「読みやすくて嫌われない文章の書き方」を解説していきます。
特に文章とか書かない人も(なるべく)楽しく読めるように作っております。
※内容はWEB記事や日記向けなので、小説や詩などには適さないと思います。
僕の文章や構成は、昔からテキストサイトが好きでよく読んでいて、大学で文章術や作劇・脚本術などを学び、それからライターになりWebに合わせて自己流で試行錯誤し続けているものになるので、全く合わない人もいると思います。その場合はほんとにすみません。
これからの解説も「自分だったらこうする、こう思う」みたいなものです。最初に伝えておきたいのは「文章に正解とか無い」と思っていて、人それぞれであるべきだと考えています。なので俺が正しい!とかでは決して無いです。好みの部分もかなりあります。
ただ、一応、自分の書き方で日記みたいな記事だけの活動でTwitterで3万弱のフォロワーさんがいたり、色んなメディアで書けてたりするので、何か書きたい人の参考になる部分とかあるのではないかと思い、記事や日記の書き方にまつわる配信を開始しました。
自分なんかが……と思う部分もそりゃあるのですが、そんなこと言ってたら何も出来ないのでもうやります。
普段、いくつものWebメディアで記事編集の仕事を何年もしており、毎日記事に携わっております。読む人、書く人、直す人の混ざりあった視点で解説していけるかと思います。
また、調べたらすぐ出てくる小手先のテクニックみたいなのは一切解説しません。
ちなみに私にとって嫌われる文章というのは激しいアンチが生まれるとかではなく、即ブラウザバックされたり流し読みされてまともに読んでもらえてない文章のことを指しています。
1回目 「自分」が出すぎて嫌われる
記事における「自分の出し方」について。これは伝え方のニュアンスが難しくて……誤解のないようにお伝えすると記事の個性を消せ、ということではなく、「私を知って!」「どう!俺!どう!?」みたいな自意識の話になります、
これは「ブログでやってくぜ!」って人にはかなり難しいことで。自分が書くのに、自分を消せって。全世界に発信するのなら、自分を全世界に知ってほしいと思うのは当然。それはわかります。
でも、現状あまり記事が読まれていない状態ならば、ちょっとだけ考えてみてほしい項目になってます。
僕が知る限り、ほとんど無名状態からバズったり読まれたりした記事って、そこは当たり前にクリアしてる印象です。(もしくは圧倒的なパワー)
一旦落ち着いて、あなたが書いた記事を読む人のことを考えてください。
それは家族やファンですか、特定の人ですか、それとも、不特定多数の人ですか。
まず考えるべきは「”想定される読者”の方が読みたい内容かどうか」です。
読者が家族やファンなら、ガンガンに自分を出すべきだと思います。あなたのことを知りたいので。
アイドルだったり、キャバクラ嬢や活動家の方もそうです。読者はあなたやあなたの考えについて知りたいので、どんどん自分を出した方が絶対に喜ばれます。かわいい自撮りとかついてると嬉しいです。
しかし記事が全世界に向けたものだったら、SNS経由でもSEOでも、読者は「タイトルを見てクリックした人」が大半かと思います。その世界ではタイトルからわかる主題以外のことが余分で、その余分の最たるものがにじみ出た筆者の自意識かなと考えています。(この後で解説しますが記事の属性にもよります)
読者が「求めていない情報を読まされた結果」を、少し考えてみましょう。
今は8割以上の人がスマホで記事を読んでいて、少しでも「だるいな」と思ったらすぐワンタップで戻ってしまいます。サイトの作りとか外的要因もありますが、だるいと思われたら閉じられ、当然次の読者やファンにはなってくれません。SEO系のブログなら検索エンジンからの評価も下がるので最悪です。
ブログでもなんでもそうですが、クリエーター(便宜上こう呼びます)としてやっていくぜってなった時、どうしても「自分」について知ってもらおうとする方が多くいます。これは自己紹介とかに限らず、記事と関係ない自撮りを載せたり、なんか自分の知識とかをひけらかしたがります。
それはその道に進む人間として正しい姿だとも思うのですが、肝心の読者は知らない人についての情報を全然知りたくないんです。そして大抵「個性」の出し方がだいぶ下手で、それにより読者が読み飛ばすような記事が日々無数に産まれています。
例えば、「冬はNG!体が冷える野菜5選」というタイトルの記事があったとします。というか本当にあったんですが、その記事は食べることが大好き!とデカい字で書いてあるライターの自己紹介から始まりました。外でビールを飲んでいる自撮りから始まり、身長176cmの小太りなサラリーマンで、うどん屋巡りと野球観戦が趣味で、2児のパパですとか、最近ブーツを買ったとか、Twitterとインスタはこれですとか色々書いてありました。500文字くらいあった。
マジでいらない。主題に関係のない経歴はおろか、名前すら。「どうもこんばんは!食べるの大好きキリタンポ田所です!」とか一行目に書いてる場合じゃないんです。
書いた人が薬膳師や野菜ソムリエとかだったら話は別です。知見があるなら記事に説得力を持たせる意味があるので、最初に示すべきです。僕もこの記事の最初に自分の経歴を書いてる。ただもちろん主題に関係ない写真や趣味とかはいらない。
(医者とか専門家は例外でSEO上の理由でプロフィールが必須だったりします。)
いきなり自撮りから書き出す人がいるけど、マジで読者に何のメリットがあるんだろう。自分のために書くとそういう事をしてしまうんです。
自撮りは有名な人なら、「この人の記事なんだ!」と示す意味があるので大切ですが、マジで知らない人の自撮りってカロリーが高すぎるのですぐ離脱されます。
そのタイトルをクリックした読者が知りたいのは「体が冷える野菜は何か」です。それだけです。主題以外は基本的にノイズです。あなたのことは知りたくないんです。
普通に考えて読者が自己紹介を見てノータイムでSNSフォローするわけないじゃん。記事を読んだうえでフォローするか判断するでしょ。知らない人のYoutube見る前にチャンネル登録しないでしょ。まずモノがあってそこから個人へ、のはずなのにいきなり我が我がってやるから誰にも読まれないし嫌われるんです。
何度も言うけど個性ある文章がいけないとかでは決してなくて、「体が冷える野菜は何か」で読み始めてくれた大切な読者の視点になり、丁寧に道筋を示したり、過程の文章を読み進めてもらう工夫をしたり、楽しんで読んでもらう方に注力すべきだと僕は考えます。
食べログのレビューはいらねえ情報の宝庫
言いたいことはこれが全てなんですが、もう少し詳しく掘り下げてみます。
食べログで、初めて行くラーメン屋のレビューを見るとします。その時の気持ちになってください。
レビューを見て知りたいことは、「味・メニュー・店の雰囲気・接客・値段・場所」くらいではないでしょうか。
しかしトップのレビューが
「その日は花散らしの雨。代々木駅での野暮用を済ませ、コンビニで買った傘を差しぶらり散歩の小旅行。少し年季の入った店内からほのかに香る味噌の香りが鼻孔に香った時、自分のわがままな胃袋が産声をあげたことに気が付いた。結婚して20年余り男一途に齢50を迎えた小生はもう全盛期ほどの三大欲求はないものの、まだまだ男現役」
とかだったらどう思いますか? マジでこれとほとんど同じことを多くの人がブログでしているんです。求めていない方向に文章があっちこっち進んでいくんです。
みんなが知りたいと想定されるのは味や雰囲気です。誰がラーメン屋のレビューを見るときに「どんなおじさんがレビューを書いてるんだろう」って思うんですか。上の文章を書くためにレビュー漁りしてた僕とか特殊な境遇の奴だけですよ。
これは他人(読者)の為ではなく、自分の為に書いているからそうなっています。それ自体は別にいいんです、僕が求めていないだけで使い方の1つなので。でも多くの人に読んでほしいブログや記事で、独りよがりの文章は基本的に嫌われます。
読者の知りたい方向に舵を切るべき記事で読者のことを考えないから、記事に関係しない自分の話をしたり、読者に伝わるか無視して自分がたまたま知ってる難しい熟語を披露したり、以前の自分の記事を読んでいる前提で書き始めたり、なんかカッコつけただけのわかりにくい言い回しを使ったり、意味不明なタイミングで自分の写真入れたり、使い古されたお手軽小ネタを挟んだり、知らんアニメのセリフからパクった言葉使ったり、急にポエム崩れみたいなの入れたり、何の影響もない個人なのに【公式】とかつけたり、とかをやっちゃうから嫌われる文章になってるんですよ。
読者が求めていることは何か、をみんなが持っているはずの読者の目線で考えて書くといいと思います。
わかっていらっしゃると思いますが補足として、もちろん記事や掲載メディアの属性によります。
〇〇特集とかイベントのレポート、お役立ち記事などは内容を過不足なく伝えることが大切で、そもそも個性を求められるメディアだったり連載コラムとかだったら個性のある文章の方が断然需要があります。
出したくないけど自分の例を出すと、数年前、週間12PV(全部自分と妹)のブログを何カ月もやってて初めてバズった記事、自分の名前すら本文中に一回出てくるだけです。記事最下部にTwitterへの導線だけあって、2000人以上がそこからフォローしてくださいました。ブログはコンテンツが先で人が後なので、過剰にアピールする必要がないと思います。
5年近く前なので今読むとひどい文章ですが、50万以上のPVがありました。
一応本当に自分の情報とかは「ノイズ」になると考えていて、自己紹介などもしてません。最初に表示されるプロフィールも当時はありませんでした。人となりは本文で伝わると判断してた気がします。
自分の名前は最後らへんに自意識から出しただけです。今まで偉そうにすみません、あれは自意識の現れです。別に名前を出す必然性はないシーンでした。
色々書いたけど、出したいと思います。自分について。せっかく書いたわけだし。何かをつくっている以上抑えきれないと思う。
自分らしい文章全開で何がいけないんだと、わかってます。でも、圧倒的なスター性がある天才ならば最初からそれで愛される方も当然いますが、上手くやらないと大抵マジで読んでられない記事になります。私も天才タイプでは無かったので試行錯誤を続けました。
特定の極一部から評価されたいとかなら別にいいけど、多くの人に読まれたいのに現状そうじゃないのなら、いったん個性の出し方を一回考えませんか。という提案になります。
そしてその個性の出し方が下手な人がすごく多いと思ってます。以前に一人称が「我輩」の人から記事の応募があったんですが、これを個性だと思ってるんだとしたらやばいなと。今後ずっとこれでやってくのかなって思った。
個性の出し方は失敗すると大事故に繋がるので、次回以降のどこかの配信で「上手く個性を出す文章の書き方」について解説させてください。
まとめ
・多くの場合、読者はタイトルを見て記事を読みに来ている
・だから主題以外の情報は余分なことになる
・すぐブラウザバックされるといいことが何もない
・一回客観的に読者の視点で読んでみて、いらないなと思った部分を消してみるといいかも
・もちろん記事の属性によるから一概には言えないよ
・天才ならそのままでもいいと思う
・食べログはそういう奴らの巣窟
おわり
この配信が何か書かれる人の参考になれば幸いです。
いずれTwitterで全てを告知しなくなるので、よかったら配信登録してみてね。
最初から上手い人なんていないので、僕も昔のブログとか絶対に誰にも見せれないくらいひどいものです。(でも当時は自分のブログを最強だと思っていた)
やっていくと上手くなるのは間違いないので、一緒に上手くなろ。
次回「導入が丁寧じゃないから嫌われる」
よろしくお願いいたします。